女子が貧困に陥る時 - アンの世界地図 -

可愛い絵柄の漫画なんだけど、要所要所でぐさぐさと心に来るものがあるので紹介したいと思いました。



母親に所謂ネグレクトをされて育ったゴスロリ少女が、祖母を尋ねて徳島に行き、トラブルに遭います。しかし、そこで出会った少女に助けられ一緒に暮らし始める話です。一件ほのぼの系のようで深刻なストーリーが見え隠れしつつ、さらにサブテーマとして女性の貧困というテーマが隠れている気がします。

1. 親から十分な愛情を受けて育てられなかった場合

これは本当にどうにもならないことですが、親から世の中のあれこれを教えて来られなかった女性は、社会に出ると知らないことだらけでまずここで貧困に陥る可能性があります。或いは「女性は勉強をしなくても良い」などの親の考えもこの分類に入ると思います。世の中の情報から遮断、或いは歪められた情報で育った女性は、世の中で搾取される可能性があります。これは後のところでも説明します。

2. 自分で自活する術を知らなかった場合

主人公のゴスロリ少女アンはバイト代を高いゴスロリ服に費やします。そして半額のコンビニ弁当で暮らします。親から自炊する術を教えられなかったので仕方ないところですが...出会った少女アキは洋服も自分で縫い、ご飯は安く買った規格外野菜で作ります。アンはそれに驚きます。自分で作ればそんなにお金をかけなくても生きて行けることに気づいた瞬間が美しく描かれています。自分のことをちゃんと自分でするという喜びと共に。

3. 良い上司(働き先)に恵まれなかった場合

アキのおばあちゃんが出てくるのですが、昔の女性なのでアンに女中の話をします。昔は女中としていろいろ学びながら、奉公先の奥様に認められれば嫁ぎ先を決めてもらって、家具などをつけて嫁に出されたものだと。しかし奉公先の奥様がイヤな人間であれば、それこそいびり倒されるだけで終わることもある、と。まさに現代社会だと良い勤め先、上司がいない場所に行ってしまった場合に起きうる問題です。

4. 自分の人生を他人にゆだねてしまった場合

途中、アンはマサキという男性に出会います。それなりに裕福な家庭の子どもで、アンから見ても、少なくとも作品中でも悪い人に見えない好青年(目つき悪いけど)です。アンを幸せに出来る(少なくとも食べさせて行ける)ことを誓います。

こういう男性が幸せにしてくれる可能性というのはもちろんあります。が、自分の人生を他人任せにしてしまった場合、どんなリスクが?もしその人がものすごーく悪い人だったら?うっかり自分の人生を他人任せにすることの危険性がアンのモノローグとして語られています。そういうことに気が回るアンはなかなか地に足がついているなーと思います。

1 は本当にどうしようもないですが 2-4 は自分の心がけ次第でなんとかなるところです。自活する術を学んでなるべくお金をかけず、少しでもよりよい良い働き口を探して(現代社会ならまだ選択肢は自由)、自分の人生を他人に預けてしまわないこと。少なくともこれらのルールに従って生きて行ければ、大体のことは乗り越えられるのではないかと思います。

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